融和
寒さがピークを迎える12月頃の話
ある日電車の中で隣に座ってたイケメン外国人に突然「Hello」と話しかけられ、「え、ぼく英語話せない...道聞かれるの?(汗)」と思いつつ不安を隠せないままでいると、
「こんにちは、お仕事帰りですか?」
と流暢な日本語を話すイケメン外国人
日本語話せるんかい(笑)
あと僕学生だし、
話を聞くと彼は日本語を勉強するためにアメリカから留学で日本に来ていたらしい
いやもう完璧に日本語話せてるじゃん
これ以上なに学ぶんだよ(笑)
と心の中でツッコミを入れる
感心しつつ色々な話を聞いていると
彼が突然「聖書を知っていますか?」
直感的に嫌な予感がした
「まぁ、はい....」と答えると
彼は聖書をカバンから取り出し、
電車内で聖書の一部分を朗読し始めた。
「え、なにこの状況...」
と困惑しつつもとりあえず話を聞いてみる。
「じゃあここの一節を読んでください」
といきなり彼に一節を読まされる状況に
ここで各駅停車の普通に乗ったことを後悔した。
この電車に乗らなければ平穏に帰れたのに
そんなことを考えながら嫌々読んでみた
だがこの一節は何を言ってるのか分からない。
なんとか読み終わると
「ここの部分はどう思いますか?」
と彼に聞かれたので一応キリスト教の大学だったから、学んだ事を活かしそれらしい事を答えた。
彼の背後に写る屏風ヶ浦〜上大岡間の風景を見つめながら思う
「ペリーの野郎め...よくも開国させやがったな...」
ふと江戸時代の人の気持ちが今わかった瞬間であった
おしまい